毎日新聞 報道内容

ヘイトスピーチ違法判決

京都市の京都朝鮮第一初級学校の校門前で「在日特権を許さない市民の会(在特会)」が実施した街頭宣伝について、京都地裁は2013年10月7日、人種差別扇動を目的とした「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」にあたると初めて実質認定した。人種差別撤廃条約に基づき明快に「差別」と言い切った画期的な司法判断。
ただ、立ち止まって考えてみたい。「差別」は果たして在特会だけの問題なのか、と。
学校側は街宣を、単なる授業妨害ではなく、民族が違っても堂々と生きていける自尊心の芽を育む「民族教育権」侵害ととらえた。

民族教育権は日本も批准する「子どもの権利条約」では、少数民族の児童が「自己の文化を享有し自己の言語を使用する権利を否定されない」と定めている。自由権規約でも同様の規定があり、国際的に認知されている。

人種差別撤廃条約に基づく「差別」との指摘は、今回が初めてではない。民主党政権下の2010年2月、高校の授業料無償化に朝鮮学校を含めるかについて、中井洽(ひろし)拉致問題担当相が否定的な見解を示した。国連人種差別撤廃委員会はすぐさま、朝鮮学校の除外は人種差別に当たると、改善を勧告した。

自民党政権に代わった2012年12月、北朝鮮による拉致問題で進展がないことなどを理由に、無償化除外は正式に決まった。在日コリアンが多く暮らす大阪府、大阪市も朝鮮学校への補助金を打ち切り、他自治体も続いた。
安倍晋三首相は在日コリアンに向けられた「ヘイトスピーチ」について、2013年5月の参院予算委で「一部の国や民族を排除する言動があるのは極めて残念」と答弁した。しかし、安倍政権が決めた無償化からの朝鮮学校除外が、ヘイトスピーチにお墨付きを与えている側面がないと言えるだろうか。さらに、そうした政策を許しているのはわれわれ国民でもあるのだ。

朝鮮学校では日本で生まれ、日本で生きていく子どもたちが学んでいる。彼、彼女らは、言うまでもなく日本社会の一員だ。朝鮮学校は今、公開授業などに積極的に取り組み、外部の人に自分たちのことを知ってもらおうと努力している。こうした機会を利用して、子どもたちに接してほしい。差別を無くす第一歩は、相手を知ることだ。そうしたつながりの広まりが、「ヘイトスピーチ」根絶の力になることを願っている。

参考文献

  • 記者の目:ヘイトスピーチ違法判決=松井豊(京都支局)[1][2],毎日新聞2013.11.8配信・魚拓[1][2]



  • 最終更新:2014-01-28 05:33:52

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